キュ、と瞳を閉じる。 その仕草だけで、簡単に俺を夢中にさせるくせに。 自信がないのは、俺の方だっつの。 小さなその身体を抱きしめる。 温かい、大好きな温もりがいま俺の腕の中にいる。 それだけでこんなに幸せになれるなんて、紗月ちゃんに出会わなかったら知ることもなかっただろう。 「違うよ、紗月ちゃんは何も分かってない」