君のいいところ、1つしか思いつかない。




「紗月ちゃん、俺買っていくからその辺のベンチで座ってて」





俺がカキ氷が好きと言ったからだろう。

カキ氷を食べよう、と言う紗月ちゃんをベンチに座らせて、カキ氷の列に並んだ。



遠くから見たって目を惹く紗月ちゃんに、やっぱり少し心配になって。





「メロンとレモン1つずつで」



そう言って2つのカキ氷を買った俺が、紗月ちゃんのところに戻ろうとすると。





「晴ぅー!」



高い声が聞こえて振り向くと、里奈がいた。

里奈とは前は確かによく遊んだけど、今はもう紗月ちゃん以外と遊ぶ気はないわけで。


「え、1人で来てるの?」
「うちらと回ろうよー」




そんなことを言われているその瞬間でも、紗月ちゃんのことしか考えられなくて。



ああ、俺、相当あの子のこと好きなんだな、なんて実感した。