「晴じゃなきゃ、ダメだよ」 紗月ちゃんのその言葉は、今まで生きてきた中で一番ってくらい嬉しかった。 肩に顔を埋めると、ビクッと反応する。 「紗月ちゃんはさ、馬鹿だし、鈍感だし、俺に嫌いとか言うし、篠宮しか見えてないし、 …でも、何でこんなに大好きなんだろうね?」 抱きしめていた腕を緩めて見た紗月ちゃんの顔は真っ赤だった。