君のいいところ、1つしか思いつかない。








「…紗月?」






蓮の声にハッとする。



「あっ、ごめ…」



「…ちょっと待ってて」




そう言った蓮は走ってどこかに行って、ココアを持って戻ってきた。




「ありがとう…」



甘いココアを飲むと、少し落ち着いた。



蓮は黙って隣にいてくれて。

授業までサボらせちゃったのに、気にすんなって笑ってくれた。




ココアは口の中で、甘く苦く溶けた。