「俺、ちょっと気になることあるんだけど」
つまみを摘まんでいた一矢さんが切り替える。
さっきから唐突に困る質問をするから、あたしの心は動揺している。
「何ですか?」
「達とは初体験済ませたってホント?」
台所には聞こえない声で、あたしたちのいる空間に潜む彼の声。
あたしはこの質問に、また心臓が激しく揺れ動いている。
「俺も知りたい」
と、こっちに少し近づいた悠真さん。
正也さんも頷いている。
「あの達が美緒ちゃんみたいな子に手を出すって、想像できないからな。
どんなだった?」
どんなって...
思い出したくないよ。
あんな欲にまみれて、あたしの痛みなんか気にせず、没頭されてた出来事なんて。
「やっぱ、初めてって痛いんですね。
でも慣れればそうでもないものなんですね」


