ベッドに入れるって、なんて幸せなことなんだろう。
あたしが家にいる頃は、ベッドは親のものしかなかった。
小さい頃は遠慮なくそこに潜り込むことができた。
でもあたしの存在にイラついてきた母のベッドに、あたしは入ることができなくなっていた。
「あ...忘れてた...」
あたしは体を起こし、ベッドから出る。
すぐに達さんに声をかけられる。
「なんだよ?」
「忘れ物...」
あたしが詳しく説明しないため、彼はあたしの行動を細かくチェックしていた。
そこまでしなくても大丈夫なのに。
怪しいことはしないし、逃げもしない。
どんだけあたしは信用されてないんだろう。
日記のノートとペンを持って彼の前を通ると、彼は安心したようにあたしから視線を外した。


