適当に座り、男と向き合う。
「いいか、おまえがここにいるからにはもう自由はない。
勝手なことしてると、すぐに俺が攻撃するからな。
俺がいつおまえを手にかけるかは、わからんがな」
あたしはそう言われ、背筋が凍り付く。
そうだよね、あたしこんな所にいるんだから無傷なはずないよね。
「いいか、俺のことは達さんと呼べ。
誘拐された子」
そう達と呼ぶように強制する男は、あたしに近づいてきた。
特に警戒心を持ってなかったので、逃げようともしなかった。
それが仇になったのか、あたしは簡単に殴られた。
一発所ではない。
数えるのが怖いくらい、殴られたり蹴られたりした。
誘拐された身分なんだ、あたしは最終的には殺されるんだ。
だから希望を持ってはいけないのだ。