でも壁に追いやられ、あたしは彼の思うつぼとなる。
罰なのか、あたしの頬は叩かれる。
すると今まで怒っていた彼は、急に穏やかになりあたしの高さに合わせるように屈んだ。
そして確認するように、手全体を頬にくっ付けられる。
「熱あるのか?」
達さんはあたしにそんな言葉をかけてくれる。
その優しさを利用しようとは思わない。
「あたしの事は心配しなくて大丈夫です」
そう言うと彼の機嫌が悪くなる。
また叩かれると思い、顔を下に向ける。
すると彼は立ち上がり弁当の入った袋を放置し、部屋から出た。
安心して体全体の力が抜ける。
だけどすぐに彼は戻ってきた。
手には体温計を持っていた。


