あ、あたしは中学2年生になったばかりの女の子で、名前は小田原美緒。



どこにでもいる、いたって普通の子だ。


だけど親からちょっとした嫌がらせを受けている。


そのせいで最近は親に会いたくないと思っていて。



だから別にこの状況を、是が非にでも回避しようとは思わない。





「あ、なたは?」


現実に戻り、男に質問してみる。




椅子に座っていた男は立ち上がり、ゆっくりとあたしの方に近づいてきた。 



「いい子だから、この部屋から出るなぁ」



若干優しく言ってくれるのがわかる。



あたしはさっき眠らされていた、こじんまりとした部屋に戻ることになった。