エントリーした生徒の中に、山本あかりの名前もある。
調べたところ、部長とコンミスの掛け持ちは今までになかった。
新たな一歩を踏み出すべきか。
かといって、部長の仕事もコンミスの仕事も忙しい。
部長はオーケストラ全体を事務的、精神的な面で束ねなければならないし、コンミスは演奏面でオケを束ねなければならない。
どちらもなくてはならない重要な仕事なのだ。
その2つを兼任するというのはよっぽどの苦労が伴うだろう。
事務的な事のほかに人間関係にも。
このオーディションでの問題点は部長の山本あかりをどうするか、ということのほかに相原先生に聞いた高木美織についてである。
もしこのオーディションを受けた高3の4人よりも高木美織のレベルが高かったら。
いや、きっとあのコンクールでの実力的に高いと思う。
コンミスにするべきか。
このオケは毎年、プルトは年功序列でやってきている。
プルトとはドイツ語で譜面台のこと。オーケストラは弦楽器奏者が2人で1台の譜面台を見るため、奏者2人を1プルトと数え、指揮者に近いほうから1プルト2プルト…と数える。略す場合は1プル、2プル…と呼んだりもする。
その年功序列プルトを崩すべきか。守るべきか。
そこも悩みどころである。
