家に帰って、セミの抜け殻のように勉強机に座る。

「そういえば…明日終業式だ…」



ロボットのようにもう何もかんじない。

悲しいなんてもう通り越している。

私は、机の3段目の引き出しにしまってあるプリ帳を取り出した。

表紙はぎっしりとデコられている。

1枚目をめくると高1の時に撮ったプリクラが貼ってあった。

まだ、私も歩も化粧をしていない。
髪も真っ黒で初々しい。

私は、無表情でページをめくる。

11枚程めくったところで高2のプリクラに変わった。
髪はまだ黒いけど、化粧はうっすらしている。
アクセサリーも学校に身に付けていくようになった。

こうして見ると2人はずいぶん変わった。

ただ変わらなかったのは2人の笑顔。

一瞬一瞬を楽しく過ごす。

それが私達にとってとても大切なことだった。


そして、プリクラが貼られた最後のページ。

そこには、この前撮ったばかりのプリクラが貼られていた。

残酷にもほどがある。

歩の気持ちに気づかない私は、笑っている。

そして歩もなんの罪のないように笑っている。


私は、プリ帳を元の場所へと戻した。

無表情で作業をこなす。

そして私は、携帯を手にとってメールを作成した。