何度高みを迎えても、山崎は放してくれない。


段々と朧になってゆく意識を繋ぐのは、山崎の声と共に与えられる悦楽。


その強引な快感に、ただ声が漏れた。



「も……むり」

「あかん、まだ」



背に口付ける山崎が内腿をなぞる。


「やっ、待っ……!」


そのまま腿を上る指。
また、頭が揺れる。


昇らされる。


小刻みにしか入ってこない空気にまた視界が白んでゆく。


もう何も考えられなかった。


ただ心も身体も山崎で満たされる。




「奏」



夢か現か。
あいつが呼ぶ。


唇に落ちてくる、柔らかな感触。


もう何も、考えられない。


ただそこにあるのは熱い、山崎の身体。



私を満たす、熱。





「奏」

「……ん」






それは長い、


長い、


あの夜の、こと。