雨上がりの虹空


藤野君の真剣な目。
透き通った、綺麗な目。

「お前と初めてしゃべった時から、守らなきゃって思ってた。」

そう言うと、藤野君は肩に置いていた手を下ろした。

まも、る…?
私を?

「お前が大泣きしてた時、直感で分かったんだ。 俺がこいつを守らなきゃいけないんだって。」

あぁ…大泣きしたこと、あったなぁ…
今となっては少し懐かしい気さえする。

「だけど、いつからか…守るっていうよりも、一緒にいたいって思った。」

「……」

「好きだ。」

目を見開いた。

藤野君が、私のことを好きって言ったから…
そんなの、絶対ないって思ってたから…

「返事は、今度でいい。いつでもいい。どれだけ時間が経っても、俺の気持ちは変わんねぇから。」

本当は…
すぐに言いたかった。
私も好きだよって。

だけど、口が動いてくれなかった。
頷くことさえできなかった。

「俺は、お前のことを泣かすようなこと、絶対にしないから。
…気をつけて帰れよ」


あ、置いていかれる…
また、距離が遠くなってしまう…

行かないで、置いて行かないで…

そんな心の叫びは、当然届くことはなくて。
藤野君が振り向いてくれることもなくて。

…いつもみたいに、歩幅を合わせてくれる人も、今日はいなくて。


なんであの時、言えなかったんだろう。
どうして、どうして…


気がつくと、自分の部屋のベッドにダイブしていた。

メール、しようかな…