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「っはぁ、はぁっ…」



夜の体育館に、ボールを打つ音と二人の足音が響き渡る。

あたしの手には、ボール。向かいにはまだ余裕そうな健。

さっきからあたしだけが、息切れをしだしている。


するとそんなあたしに、健が言った。



「どーした?世奈。息切れすんのはまだ早いぞ」

「う、うるさい!」



…だけど、それもそのはず。

二人だけの試合を開始してまだ21時まで十分余裕はあるものの、一試合一試合が短いからこの短時間でもう10回はやっているのだ。

ちなみに、その試合は全て健の勝ち。

あたしはまだ、勝てていない。


しかもあたしがそのままゴールに向かおうとしたら、その時ふいをつかれてまた健にボールを奪われてしまった。



「!!あっ…」

「お前隙ありすぎ、」

「~っ、」



しかも健はそのままドリブルをすると、遠くの位置から余裕でシュートを決めてしまう。