だって、普通の話だったら、何も体育倉庫の裏、なんてヒト目につかない所で話さなくても良く。


 そして、何より。


 男子の一人が、クラスに置いてある鉛筆たての中に何時も入ってるハサミをちらつかせ、井上君を、脅しているのが見えたんだ。


 普段、飄々(ひょうひょう)としてて、滅多なことでは驚かない井上君も、自分より体格の良い男子に囲まれて、さすがに怯えているらしい。


 真っ青な顔してたし、無理やり連れ込まれている感じなのが、怖い。


 やだ……っ、このままじゃ井上君。


 放っておいたら、クラスの男子に、何をされるか判らないじゃない!



 どうしよう!



 わたし、どうしたらいいんだろう!?