煙草に火をつけるとダルそうに椅子に寄り掛かる彼。



「んーと……」



「早く答えろ、面倒くさい」




もしも翔が来月賃料を払わなければ、


1ヶ月以内にあたしが60万円を払う……


普通の仕事では、


とてもじゃないけど払えないそのお金。



こんなリスクの高い条件をのんでまで、


翔の為に尽くす必要なんてない筈なのに、


此処で引き下がるのはあまりに悔しく、



「もしも来月、翔が賃料を払えなかった場合、


1ヶ月以内にあたしが払うから!!


それでいいでしょ!!」



半ば勢いでそんな事を言ってしまっていた。