艶麗な夜華

店のドアを開くといきなり鋭い目を向ける恭也。


「なにしに来た?」



「明日大掃除だって言うし、


今日のうちにグラスとか片付けようかなぁ~って思って」



それは歩きながら考えた事訳。



恭也はグラスを持ってカウンターに座ると、


ウイスキーを注ぎながらあたしに話す。



「これからヒカリが来る。


さっさと片付けて帰れ」


ヒカリ───


彼女は恭也がこの街で一番のホステスだと言った人。


そしてあたしが会社を辞め、


夜一本でやっていく事を決断させた人。




「ヒカリさんは……いいんだね。


お店が終わってから此処に来ても……」



小さく呟くあたしの言葉なんて、


たぶん恭也には聞こえてなくて。



なにも言わずグラスに口を付ける恭也に、


あたしの胸は痛いくらいに締めつけられていた。