艶麗な夜華

次々にみんなの手に渡るそれは、


「はい、マキちゃん!」


「ありがとうございます!


あっ!これって有名なお菓子ですよね!」


有名なお菓子らしい。


「そう!並んで買ったんだよ!」



「一回食べてみたかったんですよ!」



「それはよかった!」



別にそのお菓子が欲しい訳じゃない。



ただ……



「あっ!これ知ってる!」



「この前テレビでやってたよね!」



「そうそう!」



この空気に耐えられないだけ。




スズカさんが買ってきたお菓子でみんなが盛り上がる中、


1人だけ会話に入れないあたしの居場所はない。



まるで幽霊のように静かにスタッフルームから出ると、


すぐに中から笑い声が聞こえてきた。