明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。

「あなたが送っていないのは分かったわ。じゃあ、メールの内容も知らないの？」

　明香は表情を買えずに優香を睨む。

　優香は一瞬言葉に詰まる。

「明香、どうしたの？」

　亜紀子は甘えた声で明香に近寄る。明香は手にしていた携帯を亜紀子に見せる。

　そう言った亜紀子の顔が引きつり、目の前の優香を見つめている。

　亜紀子は隣にいる由紀にそれを見せる。由紀の顔がさっと青ざめる。

　その一連の間も、明香は優香を睨みつけ、彼女の答えを待っていた。

　私の脳裏に過ぎったのは芽衣のことだ。正直、優香は性格的にも理解出来ないし、あまり好きではない。だが、同じことを繰り返すのはもう嫌だった。

　私が止めようとする一足先に、明香の手が優香の胸倉をつかむ。彼女は目をつりあげ、険しい形相をしている。

「やっぱり内容に覚えがあるんだ。このメールをいつ、誰に送ったの？」

　由紀が顔を強張らせる。彼女はこのメールに何らかのリアクションをしたはずだ。そしてそこに明香の悪口か書かれていれば、由紀も標的となる。