いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



頭の中が真っ白で、何も考えることができない。


あと、5ヶ月………?


たった5ヶ月で、私が今まで築き上げてきたものが全て消えてなくなっちゃうの………?


「………心咲……っ」


お母さんが、泣いている。


……やめてよ、お母さん。


お母さんがそんな風に泣いたら、私、認めなきゃいけないじゃん。


自分はもう治らないってことを、自分が不治の病だと言うことを。


「先生……っ、心咲を………。うちの心咲を助けて……っ」


ねぇ、お母さん。


そんなこと、言わないでよ。


お母さんにそんなこと言って泣かれたら、私が悲しくなるじゃん。


「………っ」


気付けば、私の頬にも大量の涙が流れていて。


“お母さん、ごめんなさい”


心の中でただひとつ思うのは、お母さんへの謝罪の言葉だった。