いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



「じゃあ、俺はここで。気をつけて帰れよ」

「うん。今日もありがとう」


春斗は毎日、私をこうして駅まで送ってくれる。


春斗の地元はここだから、春斗は電車には乗らない。


「春斗は、今日も部活に戻るの?」

「うん。俺、一年でのスタメン入り狙ってるから」


春斗は得意げにそう言うと、やっぱり照れくさかったのか、恥ずかしそうにはにかんだ。


家から遠いからという理由で部活をしていない私と、バスケ部に入って毎日頑張っている春斗。


私たちは、帰宅時間も違う。


なのに春斗は一日も欠かすことなく、私をちゃんと駅まで送ってくれるの。


そんな優しさが、とても心地よくて好き。