桜の花びらはもう完全に散り、代わりに景色を彩っているのは、青空によく似合う緑の木の葉。


今日も一日学校の授業を受け、今は駅に向かってのんびり歩いている途中。


私の隣には………。


「ふぁ~……。今日、なんだかすごく眠たいや。心咲は?眠くないの?」


大きな口を開けて、グーが一個まるまる入ってしまいそうなくらいのあくびをする春斗。


「私は全然眠くないよ。昨日も、グッスリ眠れたし」

「そうなんだ」

「うん。春斗は?昨日、あんまり眠れなかったの?」

「んー。微妙かな」

「なにそれ」


春斗の意味の分からない返答に思わずクスッと笑うと、春斗は口元に笑みを浮かべて微笑んだ。