いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



───キーンコーンカーンコーン。


あまりにも大きなチャイムの音に、私の体がビクッと揺れる。


遠のいていた意識が、はっきりと現実に戻っていくのが分かった。


どうやら私は、寝てしまっていたみたいだ。


「じゃあこれで、今日のHRは全部おしまい。みんなも入学式とか慣れないことばかりで疲れてるだろう。今日は家に帰ってゆっくり休むように!」


和田っち先生が、バカみたいに明るい声で私たちに向かってそう言う。


そしてそれと同時に大勢の生徒が立ち上がり、帰りの支度を始めた。


私もそっとイスから立ち上がり、机の横にかけていたスクールバックを手に持つ。


「………っ」


しっかり持ったはずだったのに、あまりの重さに足がよろけた。