いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



……やだなぁ、そういうの。


私だって、みんなと同じように笑いたい。


自己紹介のときに、“仲良くしてください”って、言いたかった。


でもそんなことを言って仲良くなったところで、結局私は全部忘れちゃうんだもんね。


私は何も聞かなかったふりをして、そのまま机に顔を伏せた。


そして、瑠希のことを思い出す。


……今頃、瑠希は何をしているんだろう。


私と同じように、自己紹介をしたのかな。


……きっと、モテるだろうね。


瑠希のことだから、もう新しい彼女とかいたりするのかな。


………なんて、バカみたいだね、私。


フラれた今でも、瑠希のことをこんなにも想ってるだなんて。


目に浮かんできた涙がみんなにバレないように、私は伏せていた顔をもっと深く伏せた。