「ね……っ、私、いらなくなんてない……っ？私……ここにいても、いいの……？ふたりの子供で……っ」
“ふたりの子供で、迷惑じゃない……？”
吐き出すようにそう放とうとしたとき、私の体をふわっと温かな温もりが包んだ。
「バカね……っ」
耳元で聞こえたのは、お母さんの声。
「あなた……バカじゃないの……っ。いらないわけないじゃない……っ！心咲は誰よりも可愛い可愛い、私たちの自慢の娘なのに……っ！」
「お、かあさ……っ、……うぅ……っ」
「頼ればいいの、全部ぶつければいいの……っ！私たちはあなたの親。どんなこと言われても、心咲から離れたりなんかしないわよ……。心咲の苦しみを吐き出す場所は、ちゃんと“ここ”にあるんだから……っ」
嗚咽が漏れて、止まらなかった。
涙が溢れて、仕方なかった。
お母さんにしがみついて泣き続ける私の頭を、いつの間にか私のそばにきていたお父さんが優しくなでる。
多くを語ることなく、ただ頭をなでてくれるだけだったけど、どことなく胸がホッとした。
「……お父さん、お母さん。私を生んでくれて、育ててくれて。ありがとうね」
言いたくて、ずっと言えなかった言葉。
それを聞いたふたりは、心から嬉しそうに笑ってくれた。
