いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。




そして真っ赤に充血した瞳に私を映すと、


「お母さんが、お母さんでごめんね……。せっかくお母さんを選んでくれたのに、満足に生んであげられなくてごめんね……」


って、自分を責めるように悲しそうに笑ったお母さん。


私の中が、罪悪感でいっぱいになる。


お母さんはそっと立ち上がると、私に背中を向け、私の部屋から出ていった。


……ごめんなさい。


言おうと思っていたその言葉は、結局言えないまま。


流れる涙をそのままに私は携帯を手に取り、春斗にメールを送る。


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春斗、今から会えない?

私、お母さんに酷いこと言っちゃった……。

もう、自分が嫌になっちゃう。

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“送信完了”と画面に出たのを見てから、パタンと携帯を閉じる。


時計に目をやると、まだ9時30分過ぎ。


このまま起きていてもお母さんのことを考えてしまうだけだから、もういっそのこと寝てしまおう。


私はもう一度ベッドに潜り込むと、そのまま目をつむり、夢の中へ落ちていった。