いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



そう思って問いかけると、


「え?……ああ。俺が部屋に戻ってきたときには、もう敷いてあったよ。きっと仲居さんが敷いてくれたんじゃないかな」


って春斗が言う。


「そっか、ありがたいね」


私が春斗を見て微笑むと、春斗も私を見て微笑んでくれて。


「明日、ふたりでちゃんとお礼を言わないとね」


春斗のその言葉に、私は大きく頷いた。


そしたらその拍子に、


「ふわぁぁ……」


ってあくびをしちゃって、それに気付いた春斗がぷっと噴き出すように笑う。


「心咲、もう眠たいんでしょ?今日、たくさん歩いたからなぁ」

「ん……ちょっと眠たいかも。でも、もうちょっとだけ起きていたいな……」


これは、私の本音。