いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



「春斗……?」


不安になって春斗の名前を呼ぶと、春斗は一瞬ビクッと肩を震わせて、それからハッと我に返ったように私を見た。


「あ……そうだね。心咲がそうしたいなら、そうしようか」


さっきまでの笑顔は、私の思い過ごしだったのかな……?


そう思っちゃうくらい、春斗は自然だった。


だから私もあまり深く考えないようにして、春斗の言葉にコクリと頷く。


「ありがとう、春斗」


私が笑ってお礼を言えば、春斗は顔をほんのり赤く染めながらも、いつものように優しく笑ってくれた。