いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



「でもさ、俺たち水族館に行ったでしょ?それで、今日の旅館の夕食が魚料理だったじゃん。なんか、運命感じない?」

「あははっ、なんの運命なの?それ!」

「いや、なんとなくだよ?別に、俺が変なわけじゃないから!」


春斗が急にわけの分からないことを言い出して、それが面白かった私は、お腹を抱えて笑う。


そしたら春斗はあわてて、“俺は変じゃない”って言い出すし……。


もう、なんなの。


楽しすぎて、面白すぎて。


お腹がよじれてしまいそうなくらい、私はたくさん笑っていた。


「あっ、春斗。そろそろお風呂に入ろっか?」


旅館に置いてあった時計に目を移すと、もう9時を過ぎていて。