『だって心咲、病気なんだろ?死ぬとかじゃねーみてぇだけどさ、それでも、記憶が消えるって相当じゃん?』
「………っ」
『それにどうせ俺も、忘れられるんだろ?心咲には悪いけどさ、俺はそんなの耐えられないや。心咲を支える覚悟だってないし……』
それが、瑠希が私と別れようと思った理由なの……?
もしそうなら……そんなの、あんまりだよ。
ねぇ、神様。
なんで私を病気にしたの?
なんでこんなにも残酷な運命を、私に与えたの?
私は神様が思うほど強い人間じゃない。
「瑠希……」
“別れる”なんて言わないでよ。
ただ、瑠希にそばにいてほしかっただけなのに。



