ああ、なにも変わっていない。 私の大好きなみんなだ───。 そう、思った時。 頭の片隅に、ズキンと小さな痛みが走った。 「い、た……っ」 痛みは治まることを知らず、どんどん強くなるばかりで。 「……だ……、や、だよ……っ」 ……また、忘れてしまうの? お母さんを忘れたように、学校までの道のりを忘れたように。 誰かを、何かを、私はまた忘れてしまう……? 「心咲!?」 顔を真っ青にして駆け寄ってくる3人の姿が見えた時、なぜだか涙が頬を伝った。 痛みが次第にスウーッと消えていく。