いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



……助けてよ、瑠希。


私、瑠希との思い出も、瑠希の顔も。


全部全部、忘れちゃうんだよ。


ううん、それだけじゃない。


ふたりで何度もキスをしたことも、大好きって言いあったことも。


全て、消えてなくなっちゃうんだよ……?


そんなの、やだよ。


瑠希のことを、忘れたくなんてない。


『じゃあ……』


長くて重い沈黙を破って先に口を開いたのは、瑠希の方。


そして、次に瑠希の口から出てきた言葉は、傷ついている私の心をさらにズタズタにするものだった。


『じゃあ、俺たち、もう別れよっか』


一瞬、自分が何を言われているのか分からなくなった。