いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



自分がどれだけ醜いかとか、そんなのはもう気にならなかった。


「もう……っ、や、めて………」


今にも消えてしまいそうな声でそう呟いた私の体を、暖かな温もりが包み込む。


「心咲。もう大丈夫だから。俺に抱きついてていいよ」


頭上から春斗の声がして、私を抱きしめてくれているのが春斗だと分かった瞬間、心の底からホッとした。


「なぁ、あんた」

「あ?」

「さっき俺に言ったよな?さっさと心咲を捨てて逃げちまえ、って」

「ああ、言ったけど、それがなに?」

「自分で、バカだと思わないの?」

「はぁ?」


春斗と瑠希が言い合いをしているのが耳に入る。