ねぇ……瑠希。
瑠希は、そんなにひどいことを平気で言う人じゃないよね……?
懇願するように、私は涙目で瑠希を見る。
でも瑠希はそんな私を見て鼻で笑うと、今度は春斗を見た。
「なぁ、お前。知ってんの?こいつ、病気なんだぜ?」
「………」
「お前のことも、きっとこいつは忘れる。いいのか?こんなやつと一緒にいて。お前けっこう顔いいしさ、もっといい女がいるって」
「もう……やめて……」
「さっさと捨てて、逃げちまえよ。病気持ちなんかと一緒にいると、疲れるだけ………」
「やめてよ……っ!」
私は泣きながら叫ぶ。
私の周りにいた大勢の人々が、一斉にこっちを向いた。
仁奈ちゃんと蒼くんも、ハラハラしながら私を見ているのが感じてとれた。



