いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



振り返った私の背中に、ツゥーっと冷や汗が伝う。


「あ、やっぱり心咲だろ?」


とうとう私の顔から笑顔が消えた。


「る、き………」

「お?俺のこと覚えてたんだ?」

「……っ」


振り向いた先にいたのは、そう。


私の元カレの、瑠希だった。


瑠希はあの頃となにも変わっていなくて、唯一違うのは、私がいた場所に今は別の女の子がいること。


………彼女、やっぱりいたんだ。


私には春斗がいるのに、胸の奥の方が鈍く音をたてて痛む。


「ねぇ、瑠希。この子だれぇー?」


瑠希の隣にいた女の子が、私を上から下まで舐めまわすように見てから言った。