いつかすべてを忘れても、きみだけはずっと消えないで。



……え、今、何て言った?


春斗が、私と手を繋ぎたい?


それって、仁奈ちゃんと蒼くんみたいにってことだよね………?


暴れだした心を落ちつけて、もう一度前のふたりをよく見てみる。


………やばいよね、ダメだ。


春斗と手を繋いでいる自分を想像するだけで全身が熱くなって、尋常じゃないくらいドキドキする。


私、どうしちゃったんだろう。


誰かと手を繋ぐのだって、別に初めてのことじゃないのに。


バカみたいに、緊張しちゃうよ……。


でもやっぱり、春斗と手を繋ぎたい。


せっかくのデートだもん。


春斗にも、楽しんでもらいたいし……。


そんな思いで、私はゆっくりと春斗の前に右手を差し出した。