「心咲。心咲は、俺の気持ちを見くびってない?」 「……え?」 「心咲が俺のことを忘れても、俺が心咲を好きな気持ちは変わらないよ。それにさ………」 春斗はてのひらで私の頬を包み込むと、目尻を下げて優しく笑った。 「たとえ心咲の記憶が消えたとしても、俺がまた心咲を振り向かせてみせるよ」 そして春斗の笑顔とともに降ってきた言葉は、私がずっと欲しいと望んでいた言葉。