こっちを向いてよ、ダーリン!


「圭くん? もうすぐ10時だよ?」

『ごめん、沙羅』

「もう帰って来るんでしょう?」

『……悪いけど今日は無理そうなんだ』

「えっ? どうして? 何かあったの?」

『今、病院なんだ』

「病院!? どうかしたの!?」


驚いて携帯を落としそうになった。

病院にいるなんて、尋常じゃない事態だ。

携帯を持ち直して、耳に強く当てる。


『沙羅、』


私の名前を言ったところで、後ろから圭くんを呼ぶような女の人の声が携帯から聞こえてきた。


『はい、今行きます』