「今夜はやめておこう。体調が悪そうだから、ゆっくり休むといい。明日の夜、帰ったら話そう」 優しくそう告げる。 圭くんの手が、膝に置いていた私の手をそっと包み込んだ。 そんなことを圭くんにされたことはなくて……。 思わず硬直してしまう身体。 信号待ちで止まっていた車が走り出して、圭くんの手が離れるまで、息もできずに助手席で固まっていた。