圭くんが運転する車の中は、お互いに終始無言。
重苦しい沈黙が、更に私の口を閉ざした。
せめて、この空気だけでも入れ変えよう。
少しだけ開けた窓から、冷えた空気が車中に流れ込む。
熱を帯びた頬が冷やされて気持ち良かった。
それなのに……
「具合が悪いのなら、冷たい風に当たらない方がいい」
圭くんはそう言うと、有無を言わさずパワーウインドウを閉めた。
「……私、もっと早くあの家を出ればよかった」
そうすれば、こんな想いをしなくて済んだのに。
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