こっちを向いてよ、ダーリン!


しばらく私を抱き締めていた先生は、私をそっと引き離すと、身をかがめて顔を近づけてきた。

静かに目を閉じる。
それなのに、いつまで経っても先生の唇は私に触れてこない。


……あれ?


そっと目を開けると同時に、パチンと弾かれた額。


「痛っ! な、なんですか!?」

「そんな簡単な女になるな」


厳しい顔をして私を見つめる。


「出会ったばかりの男に、簡単に抱かれてどうする。軽率すぎるぞ」


――軽率。
耳の痛い言葉が、私を黙らせる。