「それで、俺はこのまま自分の部屋に帰ってもいいのかな?」
「はい?」
「俺は、彼氏らしいから」
「すみません。勝手に彼氏だなんて……」
その上、送ってもらっておいて、また車に乗り込んだりして、先生にしてみたら大迷惑だ。
「いっそのこと、本当に付き合っちゃう?」
「えっ!?」
先生がいたずらっぽく微笑む。
100%冗談。
そう取れる目だった。
……でも。
「先生さえ良かったら」
自分でも驚くセリフを口にした。
思えば、ずっとそうしてきた私。
圭くんへの想いを昇華できなくて、次から次に男の人を渡り歩いて、結果、傷ついて。
だけど、先生となら忘れられるかもしれない。
漠然と思った。
「先生の部屋に連れて行ってもらってもいいですか?」



