「それじゃ、おやすみ」
「はい、先生も気を――」
言いかけた言葉は、視界の隅に映った影に一瞬で抹消された。
……圭くん。
こっちが怯むくらいの仏頂面を私に向ける。
何を言うべきか分からなくて、無の時間が流れるばかり。
異変に気付いた先生が、聞こえるか聞こえないか分からないほど小さな声で私に、「どうした?」と問い掛ける。
「……あ、ちょ、ちょうど良かった」
もう、どうにでもなればいい。
どのみち、私たちに発展は望めないのだから。
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