こっちを向いてよ、ダーリン!


「ありがとうございました」


運転席からわざわざ降りてくれた先生に深く頭を下げる。


「今夜は早く休むんだぞ」

「はい」

「あ、それと、これ」


そう言って先生がポケットから取り出したのは、薬の袋だった。


「この鎮痛剤は、市販のものより胃に優しいから、これを飲むといい」

「ありがとうございます」


至れり尽くせりの先生の対応が、ものすごく嬉しかった。

こんな風に誰かに何かをされて嬉しいと感じることなんて、久しぶりかもしれない。
この頃ずっと、圭くんが、圭くんがって、それしかなかったから。