こっちを向いてよ、ダーリン!


身体を起こして、カバンを引き寄せようと伸ばした私の手を掴んだ。


「車はこの下まで持って来てるから」


さぁ行こうと、靴を揃えて私の足に履かせてくれた先生。
有無をも言わせぬ行動に流され、先生の言うことに従った。


助手席に乗り込んで、振動に身を預けていると、まだ抜けない眠気に再び襲われた。
心地良い音楽が、さらに私を眠りへと誘う。


「まだ寝足りないようだね」


信号待ちで止まったところで、先生がクスっと笑った。


何か答えなくちゃ。
そう思っても、唇まで重くなって、一言も返せなかった。