◇◇◇
「……森山さん」
肩をトントンと叩かれ、呼ばれた名前に重い目を開けると、先生が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「あ……せ、先生」
咄嗟に身体を起こし掛けて、先生に手で制止させられた。
「もう時間ですか?」
「いや、実は講義はとっくに終わってる」
「え?」
「時間が来たときに起こそうとしたんだけど、あんまりよく眠っていたから可哀想でね」
「……そうでしたか。すみませんでした」
まだぼんやりする頭で腕時計を見る。
――えっ、7時!?
私、どれだけ眠っていたの?
茜、心配してるだろうな。
驚いた私に気付いた先生は
「遅いから送って行くよ」
私のカバンを持ち上げた。
「いえっ、平気です。一人で帰れますから」
「そうはいかないよ。まだ顔色も悪いしね」



