こっちを向いてよ、ダーリン!


◇◇◇

ホテルの部屋ばかりでなく、フレンチレストランまで予約していたという用意周到ぶり。

案内されたテーブルは、他のテーブルから少し離れた窓際の角だった。
窓からは、暗くなりかけた街並みが一望でき、チラホラと点き始めた明かりがゆらゆらと揺れていた。


手元に置かれたメニュー表を広げる。


……なにこれ。
解読不可能だ。


フランス語のみのそれは、当然のことながら私にはお手上げ。

先生は店員を呼び寄せると、スラスラとメニューを読み上げ、スマートに注文を済ませてしまった。


「……すごい」


ポツリと漏れた言葉に、先生が敏感に反応する。