こっちを向いてよ、ダーリン!


「……悪い、言い過ぎた」


そう言うと先生は、私の頬をさっと撫でた。


「とにかく、今日は諦めてくれ。悪いけど、携帯は帰るまで預からせてもらうよ」


自分のポケットに携帯をしまうと、先生は静かに車を発進させた。

さっきまで爽快に感じた青空が、やけに切なく感じる。

圭くんは一体、何の用事だったんだろう。
『話したいこと』って聞こえたような気がするんだけど……。

ママの3回忌のことだろうか。
それとも、真奈美さんが退院したことの報告?

見当もつかなくて、黙って窓の外を眺めるしかなかった。