こっちを向いてよ、ダーリン!


「圭か? 俺だ、健二」


信じられないことに、先生は、私の代わりにしゃべり出した。


「返してったら!」


隣から手を伸ばすけれど、左腕で簡単に押し込められてしまって、全然歯がたたない。


「今、沙羅ちゃんと一緒にいるんだ。今夜は帰らない。用事があるなら、明日以降にしてくれ」


先生は一方的に話すと、電話を切ってしまった。


「何するんですか!」

「諦めろと言ったはずだ」


ピシャリと言い放たれて、ビクっとなる。


私が悪いの……?


どっちが悪いのか分からなくなった。