こっちを向いてよ、ダーリン!


◇◇◇

言葉もないまま、しばらく歩き続けた私たちは、車へと戻って来ていた。

助手席に乗り込んだ途端、軽快に着信音を響かせた私の携帯。
誰からか確認もしないまま、耳に押し当てた。


『……沙羅か』


聞こえてきた声に、胸がトクンと音を立てる。
先生とのキスを見られた夜以来の圭くんだった。


「……どうかしたの?」

『話したいことが――』

「――ちょっと! 何するんですか!?」


突然、先生に取り上げられた携帯。
一度ならず、二度までも。